シャガール展
シャガール展を見に東京都美術館へ。上野はいつ来ても面白い街
だ。混沌の中にある森に、全ての博物が集められている。
たった一言で全てをぶち壊す人々がいる。その時はおばさんだっ
た。「これぐらいなら、私でも描けそうやねぇ。」ピカソ展でもブ
ラック展でもミロ展でも聞いたことのあるセリフだったが、まさか
シャガールで言われるとは思わなかったよ。
平日だというのに、そういう不思議な客層が目立った。普段なら
絶対に美術館などに足を運ばないような人達。話を聞いていると「
雅子様が、、、」とか「殿下が、、、」等の声が聞かれる。朝のニ
ュースで「皇太子夫妻がシャガール展を見学」とか言っていたのを
思い出す。
そうか。これはある意味での「追っかけ」なのだ、と気づいた。
まぁ、そう思えば腹も立たず、絵と一緒に、その客層も観察する事
にした。
面白い二人組みのおじさんを発見。そのホノボノした会話に思わ
ず頬が緩む。「なんでキリストと魚が一緒に描いてあるんだ?」「
そりゃ、好物だったんだろう。キリストが。」
「何だよ、この本」「そりゃ聖書だよ。あるだろ公約聖書とか誓
約聖書とか」おしい!(笑)その二人は終始上機嫌で、「よくわかん
ないけど、綺麗な絵だなぁ」と繰り返していた。つまらない「絵画
の鑑賞の仕方」等に縛られない視点は、いつも新鮮さを保っていら
れる。