幾何学病院

ソファーが並べられる
規則的な院内では
死の匂いを感じさせない
乾いた音楽が響く

名前を呼ばれて
返事をすると
既に診察は始まっている
質問と応答
平行に伸びていく二本の直線
けして交わる事のない会話
お互いに相手に向けて
腕を伸ばし中間点を求め合う

診察が終わり
待合室で
一眠りする間に
お腹の大きな看護婦が
目の前を行き交うのが見える

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


詩と短文

前の記事

建築様式
詩と短文

次の記事

記念の日