シンバルが鳴り
チラリと幕がめくれて
舞台袖の喜劇役者の
陰鬱な表情が
発見され
学名をつけられ
保存される
あたりを見回して
確認作業に忙しい人々
時には味方が見つかることもある
自分の分身の
死を悲しむように
客席から
手を伸ばせ
生暖かい
空気の層を
通り過ぎ
誰かの腕に触れる時に
もう一度シンバルが鳴り
幕が上がるのだ
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無機質の郵便受へシンバルが鳴り あたりを見回して 自分の分身の 生暖かい |
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