臨界点

複雑な回路で
自分の場所を知り
蔦が這うように
配線が絡み合った
最高の塔の先端で
目隠しをしたまま
片足で立っている

街をうろつく僕が
立ち止まった場所
偶然に立ち止まった場所
その場所こそが
君が昔
手紙を破り捨て
涙を流した場所

事情はわからない
どれぐらいの時間が
過ぎたのかもわからない
因果関係もない
面識もない
そんな君の涙の
蒸発して消えた
その成分が
この場所で
僕の胸を
ゆっくりと
締め付けていく

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