神出鬼没

そこにいると思って
ずっと話し掛けていたのに
実はそこにいないんだね

その時、世界の裏側では
そこにいないはずの僕に
大声で叫んでいる人がいて
ハンマーを振り回している

僕が話し掛けていたのは
君が通り過ぎた後の街
重たい空が空席を埋めていく
漁にでるには、いい時間だ

ハンマーが近くの信号機にぶつかり
蚊の鳴くような音をたてる
その音が僕の耳に届くまで
かくれんぼは一休み

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