聖地チベット展→大阪展へむけて

最初に。これは「チベット展が大阪でも。楽しみぃ~」という日記じゃないです。というかむしろ逆。

プレスリリース:上野の森美術館を中心とした抗議のまとめと、大阪展へ向けて
http://seichi-tibet.com/news/2010/02/ueno_osaka/

何から説明しようかな。このブログを読む人は何を知ってて何を知らないのかな。最初から最初から。チベットという場所がある。それはOK?中国が昔に占領して自治区ということになっている。これは微妙?そうでなくても、この前の2008年の北京オリンピックや、その前の春くらいから「フリーチベット」やら「聖火リレーへの抗議」やらで何だか騒がしかったのは憶えているかな?

テレビを見ない生活を送っているし、前回の騒ぎの時は台風の中心ではないけど強風圏内ぐらいにはいたので、世間一般的にどれくらい認知度があるのか、距離感と温度差がさっぱりわからない。

せっかくなのでおさらい。まぁ、チベットという所が以前から占領、圧政、弾圧に苦しんでいたところへ事実上の「虐殺」のようなことが起こった、それで世界中の人が怒って「そんな国で五輪やるな、チベットに自由を」と叫んだけど、中国の評判は下がったが五輪はほぼ滞りなく開催され、中国はなんとなく「無かったこと」にしたそうなムード。という感じか。

「そんなことがあったとは知らなかった」という人は今からでも「チベット 虐殺(または暴動)」で検索して絶望&腹を立ててみるのがいい。「忘れてた」という人は思い出してほしい。たった2年前のことなんだしね。

で、今回の特別展「聖地チベット —ポタラ宮と天空の至宝—」について。一見「そんな悲惨な目にあってるチベットの実情を世間に広める大事な事業でしょ」と思うかもしれない。自分も一番最初にタイトルだけ聞いた時はそう思った。しかしそうではなかった。内容はその逆だった。

詳しくは抗議や問題点などをまとめてあるhttp://seichi-tibet.com/を見てもらうのが一番良いんだけど、一応ザックリと問題点だけ書いてみる。

  1. 出品の多くは歴代法王の居城ポタラ宮殿から持ち去られた物である事実
  2. 中国軍の侵攻と法王が亡命を余儀なくされた経緯、近年の歴史
  3. 現在のチベットと中国の問題や、チベット人に対する弾圧政策

これらについて全くと言っていいほど説明がない。本当にない。というか直接ではないけど実質中国側の言うがままの内容になっている。要するに盗人が盗品を見せびらかして展示しているような状況なわけ。これはもう「中国政府によるチベット支配の正当性を主張するための展覧会」と言われてもしょうがないんじゃないの?

で、もちろん「それはいかん」「中止するか、内容をきちんとしてよ」という抗議が起こっている。そんな中で日本中を巡回しているチベット展が今回大阪へ、という訳です。抗議の内容はサイトにきちんとまとめてあったので、みんなに見てほしい。

そんな抗議に主催者や場所を提供した美術館などはどうしているかというと、ダンマリの所もあれば返答をくれているところもある。政治的じゃなくて芸術的価値。中国側の言い分を載せないのはバランス悪い。等々。うまく丸め込まれている気もしないでもないが、同意はできないけど無茶苦茶言ってるわけでもない。

が。この間までやってた上野の森美術館の館長の言葉。

約12万人の来場のうち、9割はチベット問題については知らずに、
ただチベットの仏像を見るためだけに来ていると思う。

さすがに、これは”無い”。

聖地チベット展→大阪展へむけて” に対して4件のコメントがあります。

  1. 衛藤 より:

    いまから、チベット展行きます。純粋に仏像を見てきます。

    正義は、是レ無常。
    南無 南無(^人^)

  2. zali より:

    少しは改善されてるかなぁ

    こういうのって
    何で「嘘でもいいから」少しは配慮したポーズとらないんだろう
    チベット侵攻のフリップ一枚用意して目立たないところにでも置いて
    「改善しました」って言えば渋々納得する部分もあるのにな
    (もちろん本当はそれじゃ困るんだけど)

  3. 大三島 より:

    こんにちは、チベット問題は日本の諸問題に直結していますね。本当に怖いです。

    東京には有ったかどうか不明だけど、大阪ではお土産屋さんのコーナーに中国解放軍が行軍してる写真が表紙の雑誌が置いてあったね。

    ただ、御土産コーナーなのが残念。。。大阪の職員のせめてもの抵抗だと信じたい。

  4. zali より:

    ホントに日本にとっても「明日は我が身」ですね
    一昨年チベット問題に深く興味を持った頃には
    まさかここまで早く日本に「明日」が近づいてくるとは、、、

    今日付けのニュースで中国の全人代で
    昔の日本で言う国家総動員法みたいなやつが成立しました
    このブログでも取り上げたのでどうぞご覧ください
    マジでヤバイことになるのかも

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