赤化

かさぶたを強引に引掻いたら血が出た
まるで紫色の絨毯を敷き詰めたように
塩素系の溶剤を蒸留再生した
赤い橋の下の温んだ水

黄金色の砂漠において
夜は勢いよく明けていく
夏が終わると共に満月の高度が増し
黄金色を経て銀色へと移り変わる

鳥の輪郭を滲ませる
ワインを取り揃えた店で
運命の糸
市内は赤一色で染められた
煉瓦の美術館において
宇宙は将来老いて赤く変色し
再びよみがえる
ガス圧をあげて膨張しながら
ゴム手袋を装着し
シルル紀からデボン紀にかけて
細胞の再生が始まる

赤の時代
線のない円を描きたい
遠い昔を思い出す
黒き生から白い死へと
一度は埋めたものを
再び掘り出すように
雨はあがり太陽が上る

前頭葉が発達しながら
記録されていた情報を
再生しはじめる
よみがえった記憶の中で
自分が押したボタンの数を
ゆっくりと
思い出していくだろう

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