物差しは直線的に伸びていく

学校に上がるときに
物差しを買ってもらった
10cm、15cm
原始的だが文明の匂いのする
その装置で
世界を測りだす僕たち

大地に楔を打ち込み
目印をつけ
自分だけの1分の1の地図が
少しづつ広がっていく

その時、天の声が
「自由に、好きな形を書いてごらん」
子供とは騙されやすい動物だ
書きあがった見事なイメージは
教師用の50cm、1mの物差しで
厳密に計測される

自由を求めた子には
やり直しが命ぜられて
一つの自由を失う変わりに
一つの技術を学ぶのだった

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