中国人間

苦味が口を停止させる
球体の中心に楔を打ち込んで
半分だけ皿に盛った魚が
大洋に逃げるのを
僕は気が遠くなるほど待ちつづけていた

10億本のヘッドホンで
1枚の欠けたCDを聞こうとする人々よ
うまく密封された薄笑いが
耳をつんざく音響の迷路で
足踏みしたまま
夜明けを待っている

回復不可能な信頼
そこに降り立つ円盤
綱引きの時間が終わり
新しい綱を編みはじめる

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