破壊の神々

地下鉄を降りると
そこは小さな戦場だった
怒声が響きあい
街を闊歩する商人たちの群れ

世界は
終わって欲しい時には
なかなか終わってくれない
全てが自由になった現代でも
テレビのリモコンのように
世界のスイッチを切れるボタン
どこかに確実にあった筈なのに
みんなが、持ち主さえもが
存在を忘れ
笑いあって生きている

ガラスでできたビルが
街の中央にそびえ立つ
名前がわからない
地表の目的地として
退屈な平面の世界から
苦しそうに
天空へ伸ばした手

猿真似の三次元を
あざ笑っている奴らが
世界のゼンマイを巻きつづける
いつの日か
ボタンを押し
全てが消える
その時まで

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